マーケティング戦略の失敗は、知識が足りないからではない

マーケティングのツールや戦術は、確かに重要です。しかし、マーケティングの失敗はほとんどの場合、マーケティングの知識が不足しているからではありません。

実行段階(Execution Stage)で失敗し、結果が思うように出ない大きな理由は、マーケティングの基本戦略が社内で十分に理解されておらず、組織全体で一気通貫に実行できていないことに起因いしています。

残念ながら、どんなに素晴らしいマーケティング戦略をパワーポイントで作っていてもそうなります。

部署間の戦略の不一致が最大の課題

具体例を挙げると、ローコスト戦略で製品を売り出そうとしているのに、製造部門が必要以上の高品質を追求したり、過剰な広告費用をかけているケースは戦略の不一致と言えます。

また、高級ブランドとして宣伝している新製品にもかかわらず、実際の品質管理が甘く、顧客からクレームが多ければどうでしょう。

さらに、それをごまかすために、営業が安売りを始めていたらどうでしょう。

つまり、価値提案と実際の戦略実行に大きなズレが生じていると言えます。

この状況では、「マーケティングの言っていることと現実が違う」という不満が組織全体に広がってしまうでしょう。

個人事業なら一人で全てをコントロールできますが、部門間を跨ぐ組織レベルになってくると、このように一貫性が保てないという問題が必ず出てきます。

マーケティング部門は、全社員が戦略を理解し、同じ目標に向かって進めるよう、指揮者のような役割を果たす必要があります。

そこで重要になるのが、マーケティングリーダーシップという考え方です。

そしてもうひとつ重要な視点として、社員一人ひとりのマーケティング知識を高めることです。

ベーシックなマーケティング戦略を理解し、マーケティング用語が社内の共通言語となり、戦略の理解度が高まります。

例えば、『この製品のバリュープロポジションは何なのか?』という質問に対して、社員全員が同じように答えられるようになることが理想的な状態です。

このコラムでは引き続き、マーケティングリーダーシップや社員全員のマーケティング力向上に向けたコラムを配信していきます。

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